« 謹賀新年 | トップページ | アフリカ事情報告Ⅵ(マダガスカル3) »

2006年1月 3日 (火)

アフリカ事情報告Ⅴ(マダガスカル2)

 翌日、吉原大使からの簡単なレクを受けた後、ラヴァルマナナ大統領と大統領私邸から公邸へと場所を移しての会談に臨みました。マダガスカルにおける産業はその大部分を農業特に稲作が占め、米の消費量は年300t、その内1割程度は輸入しなければならない現況です。従って日本に対しては大統領からマダガスカルが23年後に米の輸出国になれるよう、農業技術指導や灌漑用水の整備、農業機械の導入等々の援助依頼がありました。そのことが、最貧国マダガスカル(1人あたりGNP290ドル)の貧困からの脱却へとつながることは間違いありません。

IMG_0049

 

                        大統領(右端)と共に農地視察

















 しかしながら、マダガスカルの稲作技術は、素人の私から見ても極めてレベルの低いものと言わざるをえません。乱暴な苗取り、引きちぎり取りや超過密な移植さらには肥料投入の絶対的不足等々、改善の余地だらけであり、そのことが解消されれば日本の半分にも及ばない稲作平均収量(2.3t/ha)の大幅アップになるでしょう。

日本からマダガスカルへのODAは年間約30億円あります。この金額は小さい数字ではありませんが、それ以上に必要なことは、優秀な人材派遣による基礎的な農業技術の指導であると確信しました。IMG_0053  





 マダガスカルJOCVと一緒に。矢野団長、左端がお猿さんのお世話をしている 田中ちひろ隊員










 そして私達はタンザニアに続き、このマダガスカルでも農業技術指導や教育・看護・生態調査などの分野で生き生きと活躍する青年海外協力隊のメンバーと懇談しました。中には電気の通っていない、また水も十分供給されていないような場所で働く青年もいましたが、彼らが、マダガスカル支援の先頭に立って、様々な分野での技術指導に尽力されているのです。今後の活躍に大いに期待するところです。

 大統領との会談の席上、私が農業問題についての提言をしたばかりに矢野団長からマダガスカル農業への支援を担当する日本側のリーダーとしてご指名を頂きました。

何とその夜、急遽設営された大統領公邸での晩餐会ではそのことが影響したのか、席順で大統領を挟んで矢野団長と僭越ながら私とが上席に座るはめになってしまい、その席上、翌朝一番に大統領専用ヘリでマダガスカル最大の穀倉地帯の視察を一緒にすることも決まりました。IMG_0067

                                                                                                                                                            マダガスカル大統領公邸にて。 夕食会前のひととき 小渕・水落議員と共に










《こぼれ話④》 

ラヴァルマナナ大統領と矢野団長との対決 !!

 会談当日、大統領私邸で会談予定のため現地へ到着するも、待合所すらなしとのことでマイクロバスで待つこと約十数分。若干我々のイライラが出始めた頃、次に案内された私邸中庭では、大きな机をはさんで一方には大統領の座る大きく立派な椅子が、他方には我々訪問団が座る小学校にある子供椅子のような貧弱な椅子が置かれており、まるで私達が大統領の接見を有難くも許されたかの如きしつらえでした。
IMG_0045

                                                                                                                                                                   あのラヴァルマナナ大統領(彼もアジア系)









そこでさすがの矢野団長もプッツン。「我々は大統領に陳情に来た訳ではない!年間30億円という巨費をODAとしてマダガスカルに援助している日本国の誇りはないのか、すぐに設営をやり直せ」と接見という言葉をつい使ってしまった大使に一喝。まさにその通り、私達も憤りをおさえられませんでした。その騒動が恐らく大統領の耳に入ったのでしょう。急遽会見場所が私邸から大統領公邸(大変豪華すぎる建物)へと変更されました。会見当初は大統領も若干不機嫌な様子。それにも増して矢野団長はさらに不機嫌そうな様子。まさに二人の精神的肉弾戦の様相を呈していました。

しかし、話が進むにつれ、ラヴァルマナナ大統領の対応に軟化のきざしが現れ、会見終了後は自らが我々のマイクロバスに乗り込んで、官邸前の農業の先進的実証農地を案内してくれる程でした。IMG_0051

 

                                                                                                                                                              大統領の案内による農園視察 








 さらに翌日視察予定であり、日本が無償援助している国道7号線バイパス建設現場までも続いて案内され、突然我々のマイクロバスの前に土埃をおさえるための散水車が登場したり、後ろから大統領の護衛車やマスコミの車等が十数台追随したりの大騒ぎとなりました。また、前述のごとく、急遽予定外の晩餐会が大統領公邸で催され、専用ヘリによる農業視察と相成った次第であります。

 矢野団長の優勢勝ちというところでしたが、まさにこの対応こそが議員外交の真髄であり、今後の日本外交に最も求められる点であると思いました。

それにしても、ラヴァルマナナ大統領も相当のやんちゃ者、どこかの国の総理と結構気が合うかも知れないとの評価あり?でした。

アフリカ事情報告Ⅵ(マダガスカル3)へ

アフリカ事情報告 Ⅳ(マダガスカル1)へ

ページの先頭へ戻る

« 謹賀新年 | トップページ | アフリカ事情報告Ⅵ(マダガスカル3) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 謹賀新年 | トップページ | アフリカ事情報告Ⅵ(マダガスカル3) »