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2008年5月16日 (金)

ポリティカリー・コレクト

 先般 大変興味深い本と出会いました。

「この国のけじめ」

 あの「国家の品格」の著者・藤原正彦氏の作品です。

 この文春文庫から出版された文庫本の中に 政治家 あるいは政治家自体の要諦たる本質論を読み取ることが出来、溜飲の下がる思いでした。

 標題のポリティカリー・コレクトとは、『政治的正義』という意味でしょうが、『弱者は正義』という意味に通じます。

 著者は次のように率直な考え方を表明されています。

「『弱者は正義』という伝染病が世界に巣くっている。民主々義とポピュリズムは紙一重である」

「政府はまっとうな戦略もなく、国民の顔色をうかがいながら 政治を運営するというポピュリズムに陥っている。」

「どの国でも 大衆は広い教養に支えられた大局観とは無縁であり、その判断は ほぼマスコミに依存する。」

「世論とは マスコミといっても過言ではない。 しかし、どの新聞も多かれ少なかれ偏向している。テレビに至っては、安直な“お茶の間ヒューマニズム”を垂れ流すばかりである。」

 若干行き過ぎた思考回路なのかも知れませんが、私は基本的に賛同します。

 TBSの某氏や テレ朝の某氏ではありませんが、弱者の究極の状況を放映し、コメントし、「枝のみを見て 幹や根っ子を見ない」あるいは「木を見て 森を見ず」が如き観点で、世論を無責任に誘導していく現在のマスコミの姿勢に 苛立ちを覚え、そのマスコミの報道に影響される世論に対して 無力感を感じる自分がいます。

 もちろん 弱者救済が基本であり、「経世済民」は 政治の原則ではありますが、著者曰く、「文学・歴史・思想・科学などの広範な教養に裏打ちされた圧倒的な大局観や総合判断力を有し、いざという時には 国家のために命を捧げる気概を有する真のエリートの存在が不可欠である。彼らが各部門での長期国家戦略を策定していかなければならない。」

「戦略なき国家は脆弱である。」

という観点も 一つの正論だと思います。

 少子高齢化時代に突入し、財政危機に直面し、社会保障制度や それを支える税制や年金制度のあるべき姿を論じる時、21世紀の国家経営・国家戦略を 有権者に対して真摯に提示し、そのハザマで苦しみに追い込まれる弱者に対するセイフティー・ネットを用意することこそ 政治の本質的あり方であると確信します。

 セイフティー・ネット自体が 政策の根幹であるはずはないのです。

 誤解を恐れずに語りますが、確かに「弱者は正義」ではないという藤原正彦氏の論点に賛同すると共に、マスコミ誘導のポピュリズムに陥らないだけの知見と識見を有するやさしさ溢れる「真のエリート」をめざして 官民共に精進しなければならないと再認識したところです。

 きっと 反論はあるでしょうが・・・・。

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