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2009年8月13日 (木)

政策③農業政策

 先日民主党は米国とのFTA締結というマニフェストの訂正を行いました。

 民主党の農家への戸別所得補償政策の裏側に潜んでいる農業の完全市場自由化という考え方について、我々はその危険性を指摘してきました。今回のマニフェスト選挙によって漸くその内容があぶり出され、農家の皆さんの反発を買って修正となったのでしょう。

 こども手当ての裏にあった所得税の配偶者控除・扶養控除の見直しと同じような案件です。

 農産物の市場の完全自由化により 輸入作物の関税の大幅下げを実施し、さらにこれに即応する国内農産物の価格低下を誘発することにより 消費者の要望にこたえる。

 ただし、国内農家に対しては、売値の低下にともなう販売価格と生産費との差額を戸別に所得補償する、という民主党の政策には大きな落し穴があると思います。

 その一つは、食糧自給率を上昇させるために農家の再生を図る政策になっているのだろうかという点です。

 本当に頑張る農家すなわち魅力ある農業の後継者・担い手を育成することにはならないのではないだろうか。

 逆に一生懸命汗を流すことのない農家に対しても一律戸別所得補償を行うことが農業の振興につながるのであろうか。

 このような不安があります。

 また、関税を下げることにより、輸入農作物が安価に日本の消費者のもとに届くことは、食糧自給率の低下につながり、食糧安全保障政策とかけはなれてしまうのではないだろうか、という点です。

 さらに、戸別所得補償の前提となる生産目標値を各農産物ごとに積み上げ決定することは、米の需給調整の困難さを参考にしても到底不可能に近いことであり、戸別所得補償の対象からはずれている作物への対策も全く明示されていません。

 農業振興に関しては、農家の所得をどのようにして確保し、農村をどのように守っていくかという観点と、消費者に対していかに安価で、安心安全な農産物を提供していくかという観点。

 さらに、諸外国から輸入される農産物との共存をどのように図っていくのか、という観点などを総合的に判断した適切な政策が必要になってきます。

 子ども手当と同様、個人に対して現金で税金を投入することの政策的整合性に疑問を抱くのは私一人だけではないと思います。

 現金をばらまいてくれることに反対する農家は少ないでしょうが、この政策が本当に長期的視点に立った農業の再生につながるか否か、私達は冷静に判断しなければならないと思います。

 もちろん、今日までの自民党の農業政策が完全なものとは考えていません。

 今回の緊急経済対策により、通常予算(約2兆円)に加え、約1兆円の補正予算を組んだことにより、農林水産業に従事する皆さんは、とりあえず一息つかれたことでしょう。

 しかし、農業の持つ多面的な機能を充実させるためには、抜本的な農業政策の改革と国民の皆さんの農業に対する理解が重要であることは言うまでもありません。

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